●自作アルコールランプテスト●

vargo triad titanium stoveを購入してからすっかりはまってしまったアルコールストーブ。自作できそうな物は作らずにはいられない性分なので、WEB上をさまよい作り方を入手し自作を始めました。
とりあえず、4種類ほど完成したのでテスト。テストしたモデルはオープンジェットタイプと圧力式ジェットタイプ。参考としてvargo triad titanium stoveもテストしてみました。

*テスト方法
各ストーブにケンエー燃料用アルコール40ccを入れ沸騰時間、燃焼終了時間を計測。沸騰はクッカーから湯気が上がった時間としました。

圧力式ジェットストーブはプレヒートが必要なので、ストーブに入れた40ccのアルコールをプレヒート用皿に少量垂らしプレヒートさせています。
気温 [21.0℃]
水温 [18.0℃]

●No.1圧力式ジェットバーナー
圧力式ジェットバーナー式
ジェット径 1.3mm×16
高さ40mm
材質 アルミ缶

このタイプはストーブ自体が暖まりアルコールを蒸発させ、内部の圧力が上がりジェット穴から燃焼ガスを吹き出すタイプ。
センターのボルト穴からアルコールを給油。ボルトを底に着くまで締め込み、ボルトが加熱させる事で内部燃料の揮発促進を狙っている。

プレヒート後十数秒でジェット部に引火。引火後は写真のような勢いはあるが赤みの多い炎。1分もすると安定燃焼。燃料が切れる1分前くらいまでは同じような燃焼を継続。
*沸騰時間 [05:05]
*燃焼時間 [12:11]
やはり勢いのある炎が強いようで沸騰時間も短い。

●No.2
圧力式ジェットバーナー式
ジェット径 1.0mm×16
高さ40mm
材質アルミ缶

上記No.1と同じタイプ。

No.1と比べるとジェット径が1.0mmと細い為、細いが勢いのある炎。その他はNo.1と同じような燃焼状態。
*沸騰時間 [06:26]
*燃焼時間 [12:51]
炎の太さが影響してかNo.1と比べると1:30ほど沸騰時間が長くなった。それに比例して燃焼時間も長め。

No.3
圧力式ジェットバーナー式
ジェット 1.0mm×16
高さ40mm
材質アルミ缶
内部にグラスウールを詰め込み済み
このタイプはNo.2のジェット径でタンク内にグラスウールを詰め込んでいます。狙いは毛細管原理による燃料気化促進。
No.1、No.2と比べるとジェットから出る炎の勢いが弱く燃料が気化しにくい感じ。グラスウール充填は失敗か。全体的に炎が赤め。不完全燃焼ぎみなのかも。もしくはグラスウールのカスが吹き出し燃焼してる可能性もあり。
*沸騰時間 [06:51]
*燃焼時間 [13:43]
グラスウールのお陰か?燃焼時間が長め。炊飯に向いていそう。

No.4
オープンジェット式
ジェット 1.0mm×16
高さ40mm
材質 アルミ缶
内部にグラスウールを詰め込み済み

このタイプはトランギアやmo-go-gearなどと同じタイプのストーブ内筒部分に給油して、その部分に点火。プレヒートの必要性がない為、燃料の無駄がない。

点火後大きめの炎が内筒から上がり燃料が沸騰を始めると周辺のジェット部から炎が上がる。これも赤めの炎。どうもグラスウールの可能性が捨てきれない。炎自体は内筒の炎とジェット炎の両方なので大きめ。
*沸騰時間 [05:32]
*燃焼時間 [14:08]
すばらしい結果。沸騰時間が短いのにもかかわらず、燃焼時間は長い。プレヒート不要の「たまもの」かも。

vargo triad titanium stove
ジェットバーナー
ジェット 0.7mm×28
高さ 61mm 直径67mm 重さ28g
材質 チタン

vargoのみ燃料を30cc注入。これ以上の給油は燃料が溢れる為、危険。

プレヒートを開始すると直ぐにセンターの燃料注入孔より燃料があふれ出し大炎上。冷や汗をかきながら水をかけるべきかシャッターを切るべきか悩みながらの撮影。調理台なので続行。普通のテーブルなら直ぐ消火すべき状況。
溢れた燃料が燃え尽きると安定燃焼を開始。ジェット径が細く数が多いので炎が独立せずに大きめの一つ炎という感じ。圧力も弱いので静かな炎。その為か、微風で炎が揺らぐ。
*沸騰時間 [06:11]
*燃焼時間 [13:35]*注(燃料は30cc)
予想外に沸騰も早く燃焼時間も長め。しかし、8分過ぎから、かなりの弱火となる。

全く無風の室内でのテストなので、実際のフィールドで同じような結果が出るとは思えないけど参考程度のテストは出来ました。
圧力式は炎が吹き出している為、今回のテストでは分かりませんが風にも強いと思われます。このタイプはジェット径、口数を変えるとさらなる性能アップへの期待もあり奥が深そうです。
期待していたグラスウール充填タイプですが、能力が思ったほどでなくてガッカリしました。気化促進にはあまりメリットがないのかもしれません。グラスウールではなくて熱伝導性に優れる金属素材(スチールウールとか)にすると効果が上がる可能性あります。
オープンジェットタイプは優等生な感じです。王道トランギアがロングセラーを続けているのも頷けます。ただ内筒の炎が大きいので、若干風に弱い印象も受けます。
いまいちだと思っていたvargo triad titanium stoveの能力にびっくり。センターの燃料注入孔を塞ぐと圧力式になるので、やってみる価値はあると感じました。でも、全体的に使いにくさと危険性が高いモデルだなと感じました。
今回は使いませんでしたが、風防(ウインドスクリーン)を使えば違った結果になったかもしれません。風防でクッカーを覆う形にするとドラフト効果で空気の流れができ、さらなる時間短縮できる感じもします。目指すは沸騰時間04:30、燃焼時間15:00ですね。しばしガスストーブを封印しトライ&エラーしてみようと思います。