*09/07/14

梅雨の終わりの貴重な晴れ間になる」との予報なので渓流釣りに出かけた。久しぶりの車中泊もいいかなぁと思ったが何となく出かける気にならず早朝の出発となった。早朝といっても5時に起きてゆっくり出発。

駐車スペースに車は無く、今日も貸し切りが楽しめそう。本当はもっと奥の渓に行こうと思っていたが、車の運転に疲れていつもの場所。ゆっくりと着替えて渓へと向かった。

梅雨時期だから沢の水も多いかと思ったが、かなりの渇水気味。雨の日は多いが降水量はたいしたことはないのだろうか。それとも上にある取水堰で抜かれているだろうかと考えながら遡る。

取水堰まで来たが反応はまるで無い。「この上はからはいいかもしれない」と堰をどうにかはい上がる。「身体が鈍ってるな」と自分を戒めた。

フライ交換でしゃがみ込むと小動物の骨があった。大型動物の骨を見かけることは多いが、こんなに小さいのは初めて。それだけ水が流れていないのだろう。

昨晩、NHK教育・日曜美術館で「画家・犬塚勉 」を取り上げていた。絵には全く興味は無いが何となく観ていた。最期は沢登りをしていて天候悪化で遭難。38才の若さ。「水が描けない。もう一度、水を見てくる」と言って帰らぬ人をなった。
何故、そこまでストイックに生きて作品を書き続けたのだろう。奥様へのインタービューで「死と隣り合わせのような場所でなければならないのか」というような問いに「そうだ」と答えたとあった。番組を見ながら「悟り」の境地だなと感じる。
沢は山歩きと違い、陰をもの凄く感じる。死というものを感じることが多い。それは木々の生い茂る薄暗さからなのか、それとも無機質な岩のせいなのか、全てを洗い流してくれそうな清らかな水なのかは分からない。このような場所には怠け者は訪れてはいけないのかもしれない。あんな堰を苦労して登るようなやつはダメなんだろう。

取水堰より上は水も多くなり反応も良くなる。しかし、俺の毛針に掛かるような魚はいなかった。魚も命がけで生きているんだから当たり前か。一度、かなり良いサイズが出たが「合わせ切れ」。なんとも心が痛む。返しを潰しているから外れてくれるのを祈ろう。

すでに用をなしていない砂防堰堤二つを超える為に高巻(といっても作業道)。
2年前に訪れていたときは、もっと苔生していたが昨年の台風で土砂が出たようで頭が出ている岩の上に残るだけだった。残念、楽しみにしていたのに。
この渓もその台風の被害を受けた。かなりの土砂が流れ込み、深みが浅くなっている。昨年は全く釣りに行かなかったので知らなかった。時はいろいろなものを変えるようだ。

それと確実にセルフの腕も落ちている。なんだろう、この構図は。ど真ん中って、何を考えていたんだろう。もう少し引いて高いところにカメラを置いて、右の斜面と木々を入れれば良かったのに。モニターで確認したのに撮り直してないし。光と影ばかり意識していた記憶がある。そんなことより構図だよなぁ、強く反省。

薄暗い場所にいると気持ちも暗くなるので、砂防堰堤の間に降りて昼食にした。

湯を湧かしながらセルフも。今日は70mmの単焦点だけなので難しい。いろいろやってる間に湯が沸き、セルフ撮影を忘れてカップラーメンに注いでいる最中にシャッターが切れた。今気が付いたけど、頭からズボンまで同系色だな。ちょっと酷いなぁ。


今日のバックパックはミステリーランチ。ウェットリブも付けてみた。これが以外と使える。次回もこの組み合わせにしよう。
カメラはバックパックに付属のポーチに入れ、チェストパックのようにしてみた。これなら撮りたいときに防水スタッフサックから出すだけで使うことが出来る。と言っても面倒くさいのには変わりないのだが。防水カメラを買うか、防水のカメラバッグを買うか悩む。

昼食の後、かなり遡るも反応が悪くなる。少し考え、下って早い時間にやった場所をもう一度釣ってみることにした。

高巻に使った登山道にはい上がり、足早に下る。途中に何度も崩落補修の跡や土砂が流れ込んだ形跡が見られた。(この写真もダメだった。もっと撮らないと。)

歩きながら足元を見るとウェーディングシューズが酷いことになっていた。

もう限界だなぁ、新しいのを買わなくちゃ。ソールもだいぶ減ったので潮時だろう。

早い時間に入った場所でいきなり出た。小さいヤマメ。素直に嬉しい。
しかし今までの苦労はなんだったの?という感じ。
そしてリリースしてすぐに今度はイワナ。これも小さいけど凄く嬉しい。この魚は小さな場所に何度もしつこくフライを流して釣ることが出来た。この魚をリリースして満足になり納竿とした。

今日は早目の時間から釣り始めたが、ここは遅い時間帯のほうが反応も良いのかもしれない。だけど、早めに入らないと先行されそうだし。悩みどころだ。早朝、違う渓を釣って、午後から入るのもいいかもしれない。バスにいってからってのもいいかも。数年前はダブルヘッダーとかやってたしね。今はそんな気力も体力もない。もっとストイックに生きなきゃダメなんだろうな。


あぁ、そうそう渓の入口にこんな立て看板があった。ここは東大の演習林だからドコモよりau利用者が多いのかもしれない。田舎ではダントツでドコモらしいのだが。助けを呼ぶならauですね、「そんなのいらない!」とストイックに生きようとさらに思った。