*09/09/14

このところだいぶ秋めいてきたけど、夏の忘れ物である「新潟のイワナ釣り」に出かけてみた。
本当は8月中に訪れたかったのだが、休みのたびに雨が降ったりして予定が流れた。雨での釣りは前回訪れた時に恐い思いもしたので無理には出かけなかった。前回からだと約2ヶ月ぶり。その間は秩父にも行ってなかった。本当に久しぶりの渓流釣りとなった。
そんなこともあり中途半端に準備がしてあったので、出発前は逆に大変だった。フライは巻いてある?たしかリーダーは繋いでおいたよな、ウェーディングソックスは入れたっけ、などなど。こんな時のほうが忘れ物が多いので注意だ。

今回の楽しみは釣りだけではない。先日、納車されたサクシードで初めての車中泊。
フルフラットの荷室にはカスケード・デザインのキャンプ用で大きく分厚いサーマレストを敷いた。
想像していたよりも快適。アベニールと荷室はたいして変わらないけど、本当に快適だった。やる気になれば大人二人だって眠れちゃう。荷室側面にも小物入れがあり、そこに飲み物を入れておけて重宝した。この便利さは車中泊した人しか分からないと思う。希望なんだけど、室内からテールゲートが開けられれば最高。まぁ、そんな車、このクラスでは無いんだけどね。この便利さもやった人しか分からない。

営業車として人気のサクシード、プロボックスだけど、もっと若い人にも乗って欲しいと思った。4駆もあるからスキーやスノーボードにだって最適だろう。ただ、発売が7年前だから買おうと思う人は少ないだろうなぁ。営業マンも「最近はあまり出ないもので」と納車日を決める時に悩んでいたし。ある程度の台数の発注がないとラインに割り込めないそうだ。

この写真を撮ったのは朝の4時頃、この後、寝袋に入り直しウトウトしていると車の音がしてサクシードの脇を通過していった。「なに!」すぐに飛び起きて準備を開始。5時半には林道を登り始める。たしかこの上にも駐車出来るけど...。
そのスペースに行くと二人の男性が準備をしていた。聞けば沢登り。まぁ途中で登ってきても30分くらい昼寝をしてれば大丈夫だろうと気楽に考えて「途中で会っても遡ってくださいね」と言って先に入った。


入ってすぐに写真のスリット堰堤がある。初めて見たけど、これからの主流になるそうだ。これなら下流に土や泥が流れて生物などに影響が少ないらしい。
その堰堤の上で一匹。釣ったのではなくて釣れちゃった。岩に飛び乗ろうとフライを浮かべたままだったのだが「ピチャ」という音でフライを見ると無くなっていたのでラインを手繰ったら釣れていた。まぁ一匹は一匹。
その後、出るけどのらないということを三度程繰り返すと先程の沢登りの人達が遡ってきた。
「どうぞ、どうぞ」を先を譲る。そこでリュックサックに入れてきたアップルパイを出して朝食とした。20分ぐらい休んだだろうか。
ゆっくりとフライをメンテナンスしてキャストを始める。しかし、出ない。やっぱり先を譲ったのは失敗だったのかも。慌てて出てこないで車でゆっくり寝ていたほうが時間差が出来て良かったのかも。しかし車が脇を通った時は沢登りだと思わなかったしなぁ、などと考えるので余計に釣れない。

すると突然前から見覚えのある人が二人、顔の前で手を合わせて「すみません、すみません」と言っている。俺の坊主頭を見て坊さんにでも思ったのか?しかも小滝の近くだったので言っていることが聞き取れない。釣りの邪魔をしてはいけないという感じで近づいてもこないし。どうも下るらしいということだけは理解できた。
その二人の足跡が消えてからは少しだけ反応が出るが、ことごとく針がかりしない。
20分ほど経っただろうか。また、あの二人組が上がってきた。どうも忘れ物を取りに戻ったようだ。しょうがないので写真のナメのところで先を譲る。「ヒトガイイ」と時々言われるが、この時は自分もそう思った。

しょうがないので、ナメで写真を撮ったりして時間を潰す。
今回の竿はカムパネラ・レッドラップ3753RW。すごくキャストがしやすくてお気に入り。今となってはオーダーするときにスレッドの色をグリーンすれば良かったかなぁと思う。透過スレッドのグリーンならワインレッドのブランクにも似合うと思うし。
フライラインはSA/3M・ウルトラ4 #3。リーダーはバリバス・スタンダードリーダー5X 7.5ft。これはバットから中間あたりまで黒くてかっこいい。今回初めて使ったけどいい感じ。今まではアクロンだったけど、これからはこれにしようかな。
ティペットはグリーンのスプールのダイリキ。 5xを40cmほど結んでいる。このスプールが好きで使っている。そろそろ無くなりそうなので、何かのラインをこれに巻く予定。

ここでも15分くらい休んでいただろうか。でもね、やっぱり釣れないのよ。全く出ない。もうさすがに嫌になって、スリット堰堤の下をやることにした。それと滝まで登ったんだけど、高巻するのにトラロープで10m近く登らないとならなかったのもある。沢登りの人からも「滝までですよね」と言われたし。装備を見て言ったんだと思う。彼らはザイルやハーネス、ヘルメットも持っていた。

スリット堰堤まで下り、登ってきた林道を降り、取水堰堤上から入ることにした。前回もここで釣りをしてるのであまりの変わりように驚く。50cmほど減水してる。やっぱり前回は水が多かったんだ。
キャストをセルフで撮ったけどリュックサック背負うの忘れてた。
今回は長袖Tシャツに半袖Tシャツの重ね着スタイルではなくて、中年フライフィッシャーマンのように長袖ボタンシャツにしてみた。クラウドベイルのなんだけど、生地が弱くて擦れるところに毛玉や糸引きが見られる。もう普段着に着られないくらい。ちょっとガッカリだよ。半袖も持ってるけど、そちらは平気なので生地が違うんだろう。
その後も釣り上がるが反応はイマイチ。あまりにやる気が無くなってきたので早いけど11時に昼食とした。
最近、よく使っているチタンロッキーカップで湯を湧かす。俺のはハンドルが折れないタイプだけど、最近のは折れるモノが出たみたい。そっちが良いかなぁ。このハンドルの利点は絶対に熱くならないことかな。
それと蓋だけど、何か違うモノが合わないか探している。これは熱くなっても持つところが無いし。板厚が厚いので重たい。あまり使い勝手が良くない。
なのについついリュックに詰め込んじゃうのはお気に入りなんだろう。
リュックサックはミステリーランチ。それとカメラとフライボックス入れにデイナ・デザインのウェットリブ。カメラは自作のクッションケースに入れシールラインのドライバッグの中に。これなら水没してもまず安心。交換レンズはリュックサックの上部のポーチに小さいドライバッグに入れて収納している。このポーチは保護材が入っているので安心。
今のところ釣りにはこれがベスト。フロータントはショルダーベルトにぶら下げてティペットもここ。
不満は自作のクッションケースが微妙に大きいことかなぁ。作り直さなきゃ。
ゆっくり昼食をとって気分転換もでき竿もゆっくり振れるようになってきた。
そんな余裕からかちょっと気になる場所が見えてきた。それは落ち込みの脇に出来る反転流の奥の岩陰。本当に小さな場所。そこにどうにかフライを押し込んで5秒ほど...飛沫が上がった。
あー、長かった。やっと釣れた。本当に嬉しい一本。考えて釣れたので気分もいい。
イワナはなんかいいね、顔に愛嬌がある。口元が可愛いんだよね。魚なのに横にならずに胸びれで立っちゃうし。油断するとニョロニョロと網から出て逃げようとする。
何とか大人しくなってから写真を撮らせてもらった。その間も何度かニョロニョロ。
リリースした後、フライを交換して同じような場所を狙うことにした。すると結果はすぐに出た。
やはり同じような場所でフライが着水後しばらく時間があってから出てくる。その間、いかにドラッグフリーで留めておけるかが難しい。
この魚も先程と同じくらいのサイズ。取り込む時にランディングネットがリュックサックのジッパーに絡んでしまい、ハンドランディング。すぐにリュックを下ろしてネットを外した。

ここの渓の特長かもしれないのがこれ。砂鉄が多い。マグネットのリリーサーを使ってるんだけど使う度にこのとおり。なんだかくっつきが悪いなぁと思うと砂鉄がコンモリとなっている。
スリット堰堤が見える場所まで遡ってしまった。このあたりで終わりにしようと例の場所にフライを入れて数秒待つ。飛沫が上がった。今までよりも竿を絞り込ませた魚は秋の装いをした25cmほどの胸びれの大きなイワナだった。
リリースした後「うん、満足満足」と納竿することにした。

今回は平日で滅多に人に会うことがない自分にとって沢屋さんに会ったのは良い経験だったと思う。相手も良い人達だったからトラブルにもならなかったしね。本当は「なにやってんだよ!」と二回目に登って来たときに言っても良かったのかもしれないけど。
ここも今月末で禁漁。次回は来年になりそうだ。車中泊の楽しさも思い出したので、ちょっと通いたい気持ちになった釣行でした。